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不易流行

[2024.05.07]

 コロナ禍を経て薬業界で大きく変化したことがございます。それは「流通」です。

 

 ニュースでもご存じの方も多いかと思いますが、近年処方箋医薬品が不足して入荷しにくい状況が続いております。また、中国では不動産バブルが崩壊した影響で、投資先の一部が漢方薬の原料生薬に向かい、生薬価格が大幅に上昇し、これもまた入荷しにくい状況が続いております。

 

 世の中には様々な商品がございますが、医薬品はその重要性からも安定供給されることが前提として国から厳しい規制を受ける商品であるため、以前は注文した商品が入荷しないことなどございませんでしたので、現在の状況に驚いております。

 

 近年、宅急便の置き配、駅の無人化、電車やバスの不採算路線の廃止、郵便物の翌日配達廃止など、ひと昔前までは当たり前であったことが薄れていく流れに、価値観の変化を感じております。採算性や利便性の向上を追求していくことが、大切な事柄を守るという責任感の希薄化につながっているようにも感じております。薬に携わる立場の者として、現代のこの大きな流れの中で、安全性や安心感を重視する姿勢は今後も保って参りたいと思います。

 

 「不易流行」という言葉をふと思い出しました。新しく変化していくことは世の常ではございますが、古き良きことも大切にしていきたい…と感じることが増えてきたのは歳のせいでしょうか(笑)。

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